ファクタリングの利用を検討している方の中には、そのメリットやデメリット・注意点について知りたい方もいるでしょう。
当記事では、ファクタリングのメリットや最低限知っておきたいデメリット・注意点について詳しく解説していきます。
出典: 様々な形態の取引に関する取組み 参考資料(金融庁)(PDFファクタリング)出典: 無登録の給与ファクタリング業者に注意!
資金調達としてファクタリングを行うメリット
ファクタリングを行う場合、主に下記のメリットがあります。
- 売掛債権を早急に現金化できる
- 契約がWeb上で完結するするので手続きが簡単
- 償還請求権なしのサービスなら売掛金未回収リスクを減らせる
- 金融機関からの融資よりも断然審査ハードルが低い
- 赤字であっても利用できる
- 借り入れに当たらないので信用情報へ影響を及ぼさない
- 取引先に知られずに現金化できる(2社間)
以下ではそれぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
売掛債権を早急に現金化できる
ファクタリングを利用する第一のメリットは、売掛債権を早急に現金化できる点です。
現金化までの期間は、利用するファクタリング会社や契約方式によって変わりますが、2社間なら最短即日ファクタリングでの資金調達が可能。
そのため、緊急で資金繰りの必要に迫られた場合も、ファクタリングを使えば対応できます。
即日とは言っても土日のファクタリングを受け付けていない会社もあるので注意は必要です。
契約がWeb上で完結するするので手続きが簡単
ファクタリングサービスは、契約がWeb上で完結するのも利点です。
申し込みをはじめ、必要書類の提出・契約・振込入金まで、すべてオンライン上で可能。
ですので、契約の際にわざわざファクタリング会社にまで来社したり、必要書類を郵送で送るなどの手間が必要ありません。
償還請求権なしのサービスなら売掛金未回収リスクを減らせる
ファクタリングサービスは、償還請求権なし(ノンリコース契約)のサービスであれば、売掛金未回収リスクを基本的になくせるのも魅力です。
償還請求権とは ファクタリング取引中に売掛先(取引先)が倒産するなどして売掛債権を回収できなくなった時に、ファクタリング会社がその売掛金分の弁済を請求できる権利のこと
償還請求権なしでの契約なら、たとえファクタリング取引中に売掛先が倒産するなどして売掛債権を回収できなくなったとしても、ファクタリング利用者はそれに対して一切弁済などする必要がありません。
売掛先の経営状態が悪く、その債権の未回収リスクが想定される場合にファクタリングを利用すれば、多少の手数料はかかるもののリスクなくその売掛債権を回収できるようになるわけです。
なお、ほとんどの優良ファクタリングサービスは、償還請求権なしでの契約になります。
金融機関からの融資よりも断然審査ハードルが低い
ファクタリングは、金融機関の融資よりも断然審査ハードルが低いのもメリットです。
金融機関の融資の審査では、自社の業績の良し悪しを見られます。
当然業績が良くなければ、審査に通りずらくなります。
一方でファクタリングの審査では、自社の業績はあまり関係ありません。
ファクタリングの審査で重視されるのは、あくまでも売掛先企業の信用力です。 そのため、金融機関の融資の審査に比べると大変容易に資金調達ができます。
赤字であっても利用できる
ファクタリングは、赤字であっても利用できるのも利点です。
うえでも触れましたが、ファクタリングはあくまでも売掛金の売買契約であり、その審査の可否は自社の業績はあまり関係がありません。
売掛先企業の与信さえあれば、自社が赤字であったり、税金滞納があってもファクタリングの審査には通ります。
借り入れに当たらないので信用情報へ影響を及ぼさない
ファクタリングは、売掛金の売買契約です。
金融機関の融資のように「借り入れ」には当たらず、信用情報への影響も一切ありません。
この通り、ファクタリングは、信用情報に悪い影響を及ぼすリスクを回避できます。
取引先に知られずに現金化できる(2社間)
ファクタリングは、契約方式によっては売掛先(取引先)に知られずに現金化できるのもメリットです。
契約方式が2社間の場合は、売掛先を介さずにファクタリング可能なため、売掛先には知られません。
ファクタリングをする上で知っておくべきデメリット
一方で、ファクタリングを検討する際は、下記のデメリットがある点に注意してください。
- 金融機関からの融資などに比べると利用コストが高い
- 資金調達可能な額はあくまでも売掛金の額の範囲内になる
- 場合によっては取引先に売掛債権の現金化が知られる
- 個人事業主は利用できないケースがある
- 分割払いができない
以下ではそれぞれのデメリットについて詳しく紹介していきます。
金融機関からの融資などに比べると利用コストが高い
ファクタリングで資金調達をする場合、金融機関からの融資に比べると、利用コストが高いのがデメリットです。
以下は、ファクタリングと融資のそれぞれの利用コストの比較表になります。
資金調達手段 | 利用コスト(手数料) |
---|---|
ファクタリング | ・2者間ファクタリング:8%〜18% ・3者間ファクタリング:2%〜9% |
融資 | ・銀行融資:2%〜9% ・日本政策金融公庫:1%〜3% |
この通り、コストカットを重視するとなると、手数料の面で金融機関からの融資に見劣りします。
資金調達可能な額はあくまでも売掛金の額の範囲内になる
ファクタリングで資金調達できる金額は、あくまでも売掛金の額の範囲内のみです。
金融機関からの融資のように、あとから追加で資金を調達できるわけではありません。
場合によっては取引先に売掛債権の現金化が知られる
ファクタリングは2社間での契約なら取引先を介しませんが、3社間なら取引先を介します。
そのため、3社間で契約する場合は、取引先に売掛債権を現金化していることが知られてしまいます。
こうなると、その取引先から経営状態が疑われ、信用を失いかねません。
個人事業主は利用できないケースがある
ファクタリングは、個人事業主だと利用できないケースもあります。
ファクタリング会社によっては、個人事業主の申し込みには対応していません。
とはいえ、個人事業主でも利用できるファクタリングサービスもあるので、個人ファクタリングの場合はそうしたサービスを選ぶと良いでしょう。
分割払いができない
ファクタリングは、融資のように「分割払いで返済する」といった事ができません。
ファクタリングは売掛金の売買契約なため、売掛金の支払いがあったら都度清算になります。
資金繰りを円滑に進める事を考えると、ファクタリングは融資ほど融通が利くわけではありません。
2社間ファクタリングにおけるメリット
ファクタリングには、主に2社間と3社間の契約方式があります。 このうち2社間ファクタリングにおけるメリットとして、主に下記の点が挙げられます。
- 現金化が迅速に可能
- 売掛先に知られずにファクタリングできる
2社間ファクタリングの場合は、「自社」と「ファクタリング会社」の2社間での契約になります。
そのため、売掛先に対して承諾書回収などのステップが不要な分、資金調達がスピーディーに行えるのがメリット。
また、売掛先に知られずに売掛債権を現金化できるので、売掛先から信用を損なうリスクを回避できる点も利点です。
2社間ファクタリングにおけるデメリット
一方で2社間ファクタリングでは、下記のデメリットが潜んでいる点に注意してください。
- 手数料が割高である
- 債権譲渡登記を求められるケースがある
2社間ファクタリングの場合は、3社間とは違い売掛先から直接売掛金を回収できません。
その分だけ売掛債権の未回収リスクが高まるため、その部分が手数料として上乗せされる事なら、3社間と比べてどうしても手数料が高くついてしまいます。
また、2社間ファクタリングでは状況次第では債権譲渡登記を求められるケースもあります。
こうなると、売掛先にファクタリングを使って資金調達をしたことが知られる恐れがあるため、信用に影響を及ぼしかねないのもネックです。
3社間ファクタリングにおけるメリット
一方3社間ファクタリングでは主に下記のメリットがあります。
- 2社間ファクタリングより手数料が安い
- 2社間より審査が通りやすい
3社間ファクタリングの場合は、「自社」と「ファクタリング会社」「売掛先(取引先)」の3社間での契約になります。
そのため、ファクタリング会社は売掛先から直接売掛金を回収できるので、未回収リスク低くなる分、2社間よりも安い手数料で利用できるのがメリット。
また、3社間の場合は、ファクタリング会社が売掛先の債権の存在を直接確認できるので、債権の二重譲渡などのリスクを減らせます。
これにより、ファクタリング審査にも通りやすいのが利点です。
3社間ファクタリングにおけるデメリット
逆に3社間ファクタリングでは主に下記のデメリットが挙げられます。
- ファクタリングの利用が売掛先に知られる
- 現金化までに時間を要する
3社間では売掛先をも介しての契約になるので、売掛先にファクタリングの利用が知られるのがデメリット。
また、2社間とは違い売掛先に承諾書回収などの手続きを踏まなければならない分、資金調達までに時間がかかるのが欠点です。
ファクタリングを利用する際に失敗しないサービスの選び方
ファクタリングを利用する際に、そのサービス選びで失敗したくなければ、下記の選び方のポイントについて押さえておきましょう。
- 安心・安全に利用したいなら取引実績が豊富なサービスを選ぶ
- 利用対象であるサービスを選ぶ
- 早急な資金調達が必要なら入金がスピーディーなサービスを選ぶ
- コストカットを重視するなら手数料の安いサービスを選ぶ
- 目的に応じた契約方式を採用しているサービスを選ぶ
- 債権未回収リスクを負いたくないなら償還請求権がないサービスを選ぶ
あとで後悔したくないなら、下記で解説するそれぞれの選び方のポイントについて詳しく確認してください。
安心・安全に利用したいなら取引実績が豊富なサービスを選ぶ
ファクタリングを安心・安全に利用したいのであれば、取引実績が豊富なサービスを選びましょう。
こうしたサービスなら、売掛債権を問題なくスムーズに現金化させられるでしょう。
一方で、取引実績があまりなく口コミも見当たらないようなサービスの場合は、怪しい業者である可能性も考えられます。
このような業者は、ファクタリングを装った闇金である可能性も高く、そうしたサービスを利用すれば暴利により不当に損失を被る恐れがあります。
こうしたリスクを避けて安全にファクタリング取引したいなら、取引実績が多くてある程度口コミ満足度の高いサービスを使ってください。
利用対象であるサービスを選ぶ
ファクタリングを使う際は、利用対象であるサービスを選びましょう。
というのも、ファクタリング会社が対象としているのは、必ずしも法人・個人事業主の両方ではなく、法人のみ対応としているサービスもあるからです。
ですので、もし個人事業主が利用する場合は、そのファクタリングサービスが、個人でも利用可能なのかしっかり確認したうえで申し込みしてください。
早急な資金調達が必要なら入金がスピーディーなサービスを選ぶ
ファクタリングは、そのサービスによって申し込みから入金までの対応の迅速さが変わります。
そのため、急な資金調達の必要性に迫られているのであれば、できるだけ入金がスピーディーなサービスを選ぶと良いでしょう。
申し込みから契約完了まですべてWeb上で手続きが完結するサービスなら、即日(最短2時間程度)での現金化ができます。
コストカットを重視するなら手数料の安いサービスを選ぶ
ファクタリングをする際に必要な手数料は、利用するサービスによって変わります。
コストカットを重視するのであれば、なるべく手数料の安いサービスを選びましょう。
また、手数料は契約方式(2社間・3社間)によっても変わります。
なるべく手数料を抑えたいのであれば、売掛先にファクタリングが知られてしまいますが、3社間で契約すると良いでしょう。
目的に応じた契約方式を採用しているサービスを選ぶ
ファクタリングを検討する際は、目的・ニーズに応じた契約方式を採用しているサービスを選びましょう。
例えば「ファクタリングをしたけれども売掛先(取引先)にはどうしても知られたくない」のであれば2社間での契約に対応しているサービスを選ぶすべきです。
また、「とにかく手数料を抑えたい」のであれば3社間での契約が望ましいので、3社間で契約できるサービスを使うべきでしょう。
このように、自社の要望に対して適した契約方式が取り扱われているのかどうかも、選ぶ際の判断基準にすれば後で後悔しません。
債権未回収リスクを負いたくないなら償還請求権がないサービスを選ぶ
ファクタリングを利用するなら、償還請求権なし(ノンリコース契約)が採用されているサービスを選びましょう。
このようなサービスなら、ファクタリング取引中に売掛先が倒産するなどして、債権が回収できなくなった時に、その弁済を求められる事がありません。
優良ファクタリングサービスなら、基本的に償還請求権なしでの契約になるので、利用するならそうしたファクタリング会社で契約してください。
ファクタリングのメリットに関するよくある質問と答え
-
Qファクタリングをすれば融資に何か影響がありますか?
-
A
ファクタリングはあくまでも「売掛金の売買契約」であり、「借入」ではありません。そのため、融資になんら影響を及ぼしません。
-
Qファクタリングの利点は何ですか?
-
A
ファクタリングは融資とは違い審査ハードルが低く、売掛債権があれば即日現金化できるのが利点です。また、2社間ファクタリングなら、売掛先に知られずに売掛債権を現金化できるのも魅力です。
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